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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

瀬古リーダー自画自賛 レジェンド中山竹通がMGCを一刀両断

公開日: 更新日:

 東京五輪マラソン代表を決めるMGCが終わった。代表3人のうち2人を決める変則ながら“一発選考”を望む世論に応えた白熱の展開に、評判は上々だ。

 日本陸連も瀬古利彦マラソンリーダーも「大成功」とうれし涙の自画自賛だが、ちょっと待って欲しい。一発選考問題に外せないレジェンド中山竹通のコメントを誰も聞いていない。

 マラソンのオリンピック代表選考は昔から揉めてきた。国内の力関係を国際舞台に揚げるにあたっての“粧い”に、日常の垢がまとわりつくからだ。過剰なマラソン熱が壁だった一発選考が実現したのは、ソウル大会の選考会、1987年暮れの福岡国際マラソンである。

 瀬古利彦は直前で足をくじいて参加しなかったものの、日本中が注目した一戦を制したのが中山竹通だ。氷雨交じりの中でいきなり飛び出し、そのまま先頭を走り切った完全制覇。最初の5キロが14分35秒、中間点が1時間1分55秒という世界記録ペースに、陸連は完璧にKOされた。壮烈な走りは福岡国際の伝説として語り継がれている。

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