右代の世陸誤内定 「レベルが低い」陸連を牛耳る筑波大OB
醜態をさらした。
18日、男子十種競技の右代啓祐(33)の世界選手権代表内定取り消し問題について、日本陸連の麻場一徳強化委員長は「不備があったと認めたい」と謝罪した。
■「我々の体制のレベルが低い」
同競技で2016年のリオ五輪にも出場(20位)した右代は、4月のアジア選手権と6月の日本選手権に優勝。しかし、世界陸上の参加標準記録は突破していなかった。麻場委員長は、十種競技を含む一部種目に関しては国際陸連(IAAF)の技術代表の承認が必要と理解していたが、「引っ掛かるとは考えていなかった。想定が甘かった。我々の体制のレベルが低い」と言った。
この事態が公になったのは17日夜。右代がツイッターで「出発10日前に突然の内定取消しの連絡が入ったみたいです。直接の説明も陸連からもらってない」「こんな直前はあんまりです」と明かしたのが発端だった。
これを受けて陸連は急きょ会見を行ったわけだが、IAAFから資格なしの連絡が届いたのは今月6日。右代を指導する国士舘クラブの岡田監督に連絡したのは2日後だった。IAAFへの抗議を求められ動いたものの、13日には承認不可の最終決定を通達されたという。
15日の東京五輪マラソン代表選考会(MGC)も、記録ではなく、順位を争うレースのため、2位以内に入ってもIAAFが定める五輪参加標準記録が切れず、代表になれない事態が懸念されていた。陸連が「MGCの上位5人に五輪の参加資格を与えることをIAAFが認めた」と発表したのは7月のことだった。
4月末にはマラソンの大迫傑(28)がツイッターで陸連批判。推薦枠で日本選手権1万メートルの出場を却下され、「どういう選手が推薦出場に値するのかちゃんと明記して欲しい」とあやふやな選考基準に苦言を呈した。8月には、五輪コースを歩いた20キロ競歩世界記録保持者の鈴木雄介が日陰のないコースの変更を直訴。有力選手からも陸連の対応に不満が続出している。