札幌移転 “負け犬の遠吠え”会見で露呈した陸連の空中分解
すると、河野ディレクターは「事務局の方から強化の立場からどうかと聞かれたので意見を集約した。一ディレクターの立場として限界までのことはした。(集めた意見が)陸連から外に出て行ったかどうかは把握していないし、どう使われたかはわからない。(事務局からの)レスポンスがなかった。当然、調整委に提出されるものと思っていたので、届かなかったのは無念」と、暗に事務局を批判した。
陸連の現場担当がこんな体たらくだからだろう。IOC調整委を3日後に控えた10月27日。元陸連専務理事(現顧問)で1991年世界陸上東京大会の運営本部長だった帖佐寛章氏は東京都知事の秘書に「翌日会談したい」と呼び出されている。帖佐氏は「話をお聞かせ願いたい」と言う小池都知事を前にして、マラソンと競歩を深夜に行った世界陸上ドーハ大会のバカげた運営や調整委員会で話すべき内容などについてレクチャーしている。
陸連が迅速に札幌移転に対する反論データや選手の声を小池都知事やIOCに提出していれば、90歳になる高齢の陸連顧問をわざわざ都庁に呼び出すこともなかったはずだ。
陸連の怠惰とまでは言わないが、少なくとも彼らが必死に汗をかいていたわけではなかったことが証明された。