テコンドー協会副理事・岡本依子さん 目指すは実業団発足
「牧師」となり協会を開拓・牧会も
帰国後の93年11月に開催された全日本選手権では、50キロ超級で初出場ながら優勝。
96年からは拠点を韓国に移し、2000年のシドニー五輪では67キロ級の日本代表として見事、銅メダルを獲得した。
「あくまで目標は世界の頂点。うれしさと同時に悔しさもありました」
04年のアテネ五輪は、国内団体が全日本テコンドー協会と日本テコンドー連合に分裂していた影響で不参加に追い込まれそうになった。だが約10万人もの署名を集め、特例措置で出場。しかし、1回戦で敗退。4年後の北京五輪を目指した。
「そんな時、コーチに誘われて、プロテスタントの教会に行き、イエス様を信じる決心をしました。それまでは、自分の価値は、イコール成績でしたが、キリストが十字架にかけられるほどに私を愛していることを知り、誰もが価値があり、かけがえのない大切な存在なのだとわかりました」
そして08年の北京五輪も日本人唯一の出場権を獲得したが、1回戦敗退。翌年2月、引退を発表した。
「それからはテコンドーの普及活動、トップアスリートの経験や技術を社会に生かす『NPO法人アスリートヘルスマネジメント』の理事長として活動してきました」
その一方、昨年4月19日、イスラエルの聖地エルサレムの「園の墓」で牧師按手を受け、晴れて牧師になった。
「メンバーは10人もいませんが、テコンドースクールの2階で『ヴィジョン』という名前の教会を開拓・牧会しています。今月22日には大阪弟子教会でクリスマス礼拝のメッセージ、25日は教会メンバーで集まって礼拝する予定です」
住まいは大阪市内。独身だ。
(取材・文=高鍬真之)