錦織のヒントになるか 38歳フェデラーの凄まじい“集中力”
すでに38歳。ヤキが回っているのは否定できないだろう。
28日の全豪オープンテニス男子シングルス準々決勝。7本のマッチポイントをしのいだ揚げ句、フルセットでテニス・サンドグレン(28=米国)を下して4強入りしたロジャー・フェデラー(スイス)のことだ。
世界ランク100位のサンドグレン相手に薄氷を踏む白星を挙げたかと思えば、3回戦では同47位のミルマン(30=オーストラリア)とフルセットの激戦を繰り広げている。全盛時なら2人ともストレート勝ちしていたであろう相手だ。
「運が必要だったし、本当にラッキーだった」
試合後のフェデラーはこう言ったが、勝因は「運」だけか。
「戦略というか、アタマと集中力ですよ」と、さる放送関係者がこう言った。
「全盛時と比べて、フェデラーの実力やスタミナが落ちているのは事実でしょう。なので相手のサーブやショットが手を付けられない状態のときはあえて無理をしない。格下相手にあっけなくセットを落とすことがあるのはそのためです。その代わり、状態が落ちてきたときには、ここぞとばかりに攻め立てる。だから長時間の試合が多くなった割に、スタミナのロスも少ない。フェデラーには勝負どころを見切るアタマと、そこで絶対にミスをしない集中力があるのですよ」
4大大会どころか、その下のマスターズ1000すら勝ったことのない錦織圭(30)の大きな問題点はスタミナや戦略といわれる。上位と対戦する以前にスタミナを使い果たし、ガス欠になってしまうのだ。そんな錦織にとって、フェデラーの戦い方は多少のヒントになるのではないか。