誰でも野村を好きになる 巧みな話術と照れと含蓄の魅力

公開日: 更新日:

 関係修復2つ目は、野村監督の人間性にあった。野村監督が、取材意欲をかきたてる人だった、というほうが正確かもしれない。型破りで、興味深い監督だったのだ。

 自分で招聘したコーチは1人だけ。しかも、その1人高畠コーチは「話し相手にほしいから」連れてきたのだと言う。

 グラウンドでは、捕手を8人並べて二塁への送球タイムを計る。守備位置を変えて練習させる。

■ウソかマコトか野球夜話

 夜はミーティング。毎晩、選手を集めて野球の勉強会。黒板を使い、選手にメモを取らせるという画期的なやり方だ。

「まずは社会人であれ」「意識が変われば行動が変わる」等々。旧コーチ陣のなかには、これに反発「あんなの頭がいとうなるわ」と、バカにする声もあったほど。

 夜間練習では報道陣に野球夜話。例えば現役時代、快足の阪急・福本豊の盗塁阻止対策。ウソかマコトか――。


「くそー、思ってな。福本にぶつけた。セカンドに投げても間に合わないでしょ。で、走ってるとこへ投げたんや。そしたら西本さん(阪急監督)ベンチ飛び出して怒った。コラーッ、野村、わざとやろ、ってな。バレとったわ」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…