3月場所が無観客or中止でも 新型コロナ騒動が力士にプラス
■力士は稽古が仕事
そんなウイルス騒動だが、先々を考えれば、決して悪いことではない。相撲には「3年先の稽古」という言葉がある。日々の稽古の成果は目に見えにくいが、将来、それが無駄になることはない。鍛えることはケガ防止にもつながる。ある親方は「今でこそ評判が悪い白鵬だが、34歳でも綱を張れているのは若いときにみっちり稽古をしてきたからこそ」と話す。
力士は稽古が仕事。繁華街から足が遠のけば、夜もゆっくり休んで体力の回復を図れる。深酒で朝稽古に影響が……なんてこともないだろう。力士の中には「本当は嫌だけど、付き合いだから仕方なく宴席に顔を出していた」とタニマチの誘いを嫌っている者もいる。彼らにすれば、まさに奇貨。大手を振って断る理由ができた。
稽古に専念できる時間ができたと思えば、自粛ムードも悪いことばかりではない。
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