五輪「開催ありき」が一変…森会長と山下会長の“赤っ恥”
そして延長に対しても否定的な見方を示し、「(開催を)1年や2年延ばして、その場所をまた使える保証はない。安易な考えだ」とバッサリ切り捨てていた。19日にギリシャ・アテネで五輪聖火の引き継ぎ式が行われた際も、森会長はビデオでメッセージを送り、「7月24日、(五輪開会式で)東京の新しい国立競技場に必ずこの聖火がともされることをお誓い申し上げます」と、予定通りの開催を強調していたのだ。
ちなみ、この時はすでに各国・地域の五輪組織や競技団体から開催の延期を求める声が強く出ていた頃だ。「いろんな声」に耳を傾けず、開催ありきで突き進んでいた「愚か(者)」は誰だったのか。会見場で発言を聞いた報道陣らが目を丸くして薄笑いを浮かべたのも無理はない。
開催ありきだったのは、森会長から延期の検討について報告を受けたJOC(日本オリンピック委員会)の山下泰裕会長(62)も同じだ。
山下会長は、JOC理事で1988年のソウル五輪柔道女子銅メダリストの山口香氏(55)が先週末に報道陣の取材に対し、「アスリートが十分に練習できていない現状では(東京五輪は)延期すべきだ」と発言をしたのを受け、「さまざまな意見があることは理解しているが、みんなで力を尽くしている時にJOCの中から一個人の発言であっても、きわめて残念な発言」などと言っていた。別のJOC理事も「個人で発言するのは自由だが、立場を考えてほしい」と批判したというが、IOCの延期検討は山口氏の発言から1~2日しか経っていない。