プロ野球とJは開幕できるか 専門家チーム三鴨廣繁氏を直撃
終息まで「年単位になるのでは」
三鴨氏は今回のコロナ騒動が終息するまでの期間について、「年単位になるのでは」との見通しを明らかにし、今年は年間を通じて感染者が出る可能性があると言う。明確な治療法、ワクチンがないことなどがその理由だが、北海道で感染者が再び増加していることについても、第2波がきているとの見方を示した。
政府は、人と人との接触機会について平常から「極力8割」の削減を目標に掲げている。プロ野球、Jリーグは数十人単位で活動するため、この方針を順守することは困難を伴うが、三鴨氏は「これがいつまで継続されるか現時点では分からない。それが分かったら開幕できる日が分かる」と指摘する。
■世間や行政が許してくれるか
そんな状況でプロ野球とJリーグは本当に開幕することができるのか。
「状況が変わらなければ、無理だとしか言えません。ただ、それぞれの球団は開催に向けた準備を整えています。国は、自分たちの判断で、と言うかもしれませんが、実際問題として国の大きな流れに逆らうわけにはいきません。その中で開催すれば、なぜこの状況で(野球やサッカーを)やっているんだ、となるでしょう。社会や行政がやることを認めてくれるのかどうか。世の中の感情や世論が許してくれるのか、スポーツ庁が許してくれるのか、ということも関わってくるでしょう。あとは、(開幕時に)各チームの均衡が図れるのかどうか。このチームだけ練習できないという状況があれば、均衡は図れません」
むろん今後、選手やスタッフ、関係者から新たな感染者が出れば、開幕時期にも影響するだろう。
球界では、今季の公式戦中止もやむを得ないという意見も出ている。中止を決断せざるを得ない可能性はあるのか。
「それはあくまで最後の手段でいいのではないでしょうか。今はファンの方々が楽しみにしています。開催に向けて、スポーツに限らず、コンサートなどの大規模イベントでは特に、ファンの方々には、開催が実現した際は、主催者による対策に協力してください、ということくらいしか言えませんが、開催が実現するために何より今やるべきは、コロナウイルスの問題が終息に向かうよう、全力を傾けていくしかないということです」