開幕延期でも日本に留まる助っ人の心境…公認代理人が語る
異国の地だけに、なおさら不安ではないか。コロナ禍に襲われる助っ人選手たちのことである。
開幕が4月中に設定されていた3月、ソフトバンクのサファテら一部助っ人選手が、移動を伴う練習試合の開催に批判の声を上げた。ある球団では帰国を要望している選手もいるという。
先の見えない現状、日本へ出稼ぎに来た助っ人たちはどのように過ごし、どんな心境でいるのか。
■金銭面では安心感
MLB選手会公認エージェントで、オクタゴン社のアジア担当部長を務める長谷川嘉宣氏は言う。
「2011年の東日本大震災時にパニックになる選手がいたので、先手を打ってケアをしないといけないと考えました。今後の状況次第で変わる可能性も想定しないといけませんが、現時点で契約している選手から帰国したいという声は聞きませんし、比較的落ち着いて生活をしていると思います。先日発表された米政府による米国民への帰国要請については、『絶対に帰国せよ』という強いメッセージはなかったですし、米国もコロナ禍は終息していない。選手たちは球団施設で練習することさえ難しいですが、日本は球団施設で練習できつつあり、各球団も家にいれば安心だ、という形でケアをしてくれている。中には子どもの教育に支障が出ている選手もいますが、スーパーでは買い物もできますし、食事に関する心配もない。日本では年俸が安定的に支払われている一方、メジャーは公式戦の試合数に応じて年俸がカットされることが決まり、マイナー選手は救済措置による週給約4万円のみを受け取っていることと比べれば、金銭的な安心感もあるはずです」