米球界で大量解雇 アジアのプロ野球“助っ人天国”の時代に
日本のプロ野球に大きな変化をもたらす契機になるかもしれない。
6月2日から始まった練習試合で、助っ人選手が大暴れしている。西武の新助っ人・スパンジェンバーグ(29=ブルワーズ)は、7日の中日戦までの全4試合で打率・727、4本塁打、7打点と大当たり。計6試合が行われたこの日は、DeNAのオースティン(28=ブルワーズ)が左中間スタンドに特大のソロ弾を放つなど外国人選手だけで5発。練習試合全34試合で29本塁打と打ちまくっている。
この時期の新助っ人の活躍はあくまで参考記録であり、フタを開けてみないと本当の実力は分からない。投手陣は6月19日の開幕までの準備期間が短く、調整に苦慮していることも影響しているはずだが、開幕後も助っ人のバカ当たりが続くようなら今後ますます、日本球界の助っ人依存が高まるかもしれない。
■1000人規模の解雇
海の向こうの大リーグではコロナ禍によって体制が大きく変化しつつある。オーナーや大リーグ機構と選手会が今季の公式戦開催に関する選手の報酬や試合数を巡って激しく対立。公式戦開幕のメドすら立っていない。
さらには1000人規模のマイナーリーガーが大量解雇される可能性も浮上。この動きは5月末から本格化し始め、ダイヤモンドバックスは約60人、マリナーズは約50人、ヤンキースは45人をクビにした。解雇されたマイナーリーガーの中には近年、日本でプレーした選手の名前もある。昨季広島に在籍したパドレスの左腕レグナルトや元日本ハムのトンキン(Dバックス)、元巨人のヤングマン(レンジャーズ)らだ。
今季はマイナーの公式戦が中止される可能性が高く、今回の大量解雇を機にマイナー縮小の動きが加速するとみられる。米球界に詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言う。
「コミッショナーのマンフレッド氏は、コロナの感染拡大前から経営の効率を改善するべく、マイナーの規模縮小を進めていた。昨年、約240球団あったマイナー球団は今年、約160球団に減った。来季はさらに球団数が削減されるでしょう。今季はおろか、来季の契約さえ不透明です。これと連動して今年の全体ドラフトの指名人数を5巡目で打ち切る方向。今後、各国の渡航制限が緩和されれば、あぶれたマイナー選手が日本などアジアへ活路を見いだす可能性があります」