打高投低はっきり…コロナリスクで“投手受難”のシーズンに
「飛ぶボールを使ってんじゃないの?」
投手陣からはこんなボヤキが聞こえてくる。
6月19日の開幕に向け、練習試合を行うプロ野球。コロナ禍の影響をモロに受けているのが投手だ。
9日に行われた全6試合の総得点は61。15本のアーチが乱れ飛んだ。
7日までの試合を振り返っても、打高投低の傾向は顕著だ。とりわけパワーがある助っ人選手は軽々と場外や左中間、右中間の最深部に本塁打を叩き込んでいる。DeNAの新助っ人・オースティン(28=ブルワーズ)は場外弾を2本。甘いコースの失投を捉えるケースが多いとはいえ、投手陣が「飛ぶボール」の疑惑を抱きたくなる気持ちも分からなくはない。
「投手の方が調整に時間がかかりますからね」とは、さるパ球団の首脳陣のひとりだ。
「投手の場合は2カ月ほどの全体練習自粛中、せいぜいブルペンに入るくらいしかできなかった。中には紅白戦をやった球団もありますが、実戦形式の練習はほとんどやっていない。本来なら、2、3月のキャンプ、オープン戦の2カ月を通して徐々にイニング数を増やしたり、登板間隔を詰めたりして公式戦に入るが、今季は1カ月足らずの準備期間で開幕を迎える。練習試合で思うように投げられなかったり、無理をして肩や肘を痛める選手も出ている。特に先発投手は練習試合の登板機会が2、3度あるかないか。開幕してからしばらくは短いイニングしか投げられない。そんな中で結果を出している投手もいますが、全体的に見ると投手が不調なのは間違いありません」