大坂 好発進の背景は恋人と参加した「黒人差別抗議運動」
メジャー2冠の弱点は「イノセント(無邪気)」と表現される精神的もろさだと指摘されてきた。
テニスは80%がメンタルといわれるが、大坂は気持ちがそのままプレーに出て、今年の全豪では15歳のガウフにストレート負け、2月のフェド杯では格下相手に泣き出す始末……再開後の自信の背景をたどっていくと、全米で起きたBlack Lives Matter(BLM)、黒人差別抗議運動がある。
黒人男性がミネソタ州ミネアポリスで白人警官の過剰捜査により窒息死する事件が起きたのが5月下旬。大坂はすぐ抗議の意思をSNSで発信し、日本での抗議集会への参加を支持した。
アスリートが自分の政治姿勢を表現する行為は、特に日本ではタブーだ。それでも大坂は、人気ラッパーのボーイフレンドとミネアポリスに飛んで集会に参加し、今月のTIME誌でこう語っている。
「ミネアポリスで多くのことを見て、考え方が変わった。アスリートはスポンサーを怖がって何も言おうとしない。私の場合も、ほとんどが日本のスポンサーで、彼らは私が言うことに興味はないし、腹を立てているかもしれない。でも、アスリートでも自分が正しい、大事と思うことを口にする時が来たと思う」