著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大坂 好発進の背景は恋人と参加した「黒人差別抗議運動」

公開日: 更新日:

 メジャー2冠の弱点は「イノセント(無邪気)」と表現される精神的もろさだと指摘されてきた。

 テニスは80%がメンタルといわれるが、大坂は気持ちがそのままプレーに出て、今年の全豪では15歳のガウフにストレート負け、2月のフェド杯では格下相手に泣き出す始末……再開後の自信の背景をたどっていくと、全米で起きたBlack Lives Matter(BLM)、黒人差別抗議運動がある。

 黒人男性がミネソタ州ミネアポリスで白人警官の過剰捜査により窒息死する事件が起きたのが5月下旬。大坂はすぐ抗議の意思をSNSで発信し、日本での抗議集会への参加を支持した。

 アスリートが自分の政治姿勢を表現する行為は、特に日本ではタブーだ。それでも大坂は、人気ラッパーのボーイフレンドとミネアポリスに飛んで集会に参加し、今月のTIME誌でこう語っている。

「ミネアポリスで多くのことを見て、考え方が変わった。アスリートはスポンサーを怖がって何も言おうとしない。私の場合も、ほとんどが日本のスポンサーで、彼らは私が言うことに興味はないし、腹を立てているかもしれない。でも、アスリートでも自分が正しい、大事と思うことを口にする時が来たと思う」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…