大坂なおみ「風船」の中で開幕する全米テニスでの期待度
3月から中断していたテニスツアーが動きだした。先週、女子が一足先にパレルモ(イタリア)でスタート。100%開催の保証はないが、今月末の全米を含めたハードコート2大会を経てヨーロッパ(クレーコート)に移り、春から9月末に移動した全仏へと展開される。その後のアジアシリーズ、デ杯は軒並みキャンセルという変則シーズンである。
大坂なおみ(22)、錦織圭(30)は来週からウエスタン&サザンと全米オープンに登場。いずれもニューヨークで開催される。米国のコロナ感染者数は現在も世界トップだが、全米を中止すれば2億8000万ドルの損失といわれ、無観客でも開催すれば放映権料で赤字半減。米国テニス協会(USTA)が編み出したのが“バルーン作戦”だ。
■東京五輪のヒント
会場のあるフラッシングメドウは、マンハッタン島とはイースト川を隔てたクイーンズ地区にあり、JFK空港と地続き。空港近くのホテルを大会宿舎にして、選手は会場と宿をリムジンで往復するだけ――。“風船”に封じ込めるアイデアは、コロナ後初のメジャー大会だけに、東京五輪のヒントになるかもしれない。