わずらわしさからFA宣言…他球団からはトレードの打診も
FA権がわずらわしかった――僕が2007年オフにFA宣言した理由を端的に言ってしまえばこうなります。
僕はこの年にFA権を取得。現在のように国内FA権と海外FA権に分かれたのは翌08年からでした。当時はどの選手も年間145日という一軍登録日数を9年分満たせば、国内外を問わず、移籍が可能でした。
当初はFA宣言するかどうかすら、あまり考えてなかった。ましてメジャーなんて頭の片隅にもありませんでした。にもかかわらず、連日のようにさまざまな人から「FA宣言するの? しないの?」と聞かれる。
メディアにもいろいろ書かれました。「巨人、横浜がロッテ・小林雅英を狙っている」なんてのはまだいい方。僕は何もしゃべっていないのに、スポーツ紙の1面に「在京のセ・リーグ球団が本命」と書かれる始末です。
当然、そうした記事をボビー・バレンタイン監督(70)も見たでしょう。指揮官にすれば、面白くないに決まっている。そうした事情もあり、ボビーとはギクシャクというか、僕自身、野球に集中し切れませんでした。