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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

コロナ禍で窮地? 球団経営者が発する悲観的情報の真偽

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 実際、シーズン開幕前の経営者側の試算では、無観客の場合の損失は1試合当たり64万ドル(約6800万円)とされている。

 また来季についてもたとえ早期にワクチンが実用化されたとしても、どの程度まで観客を入場させられるかは推測の域を出ない。何より米国経済そのものの先行きが楽観視を許さないだけに、これまでのような高額な入場料は、いずれ見直しを迫られかねない。このように考えれば、球団の経営は苦しいものと思われるだろう。

 だが、今季は球団の支出の半分以上を占める選手の年俸が試合数に比例する形で削減されているし、米国の大手法律事務所モルガン・ルイス&バッキアスが指摘するように、個別の事例の確認が必要なものの、各球団は契約している保険によって削減された試合の売り上げの補填を受けることが見込まれる。

 現在の大リーグは球団を投資の対象とする考えが主流となっている。この15年間に限っても、経営の手腕を問わなければ、高値であっても資産価値が下落していても、球団の購入に名乗りを上げる個人や集団は複数現れてきたし、今後も登場する。

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