派閥抗争が監督人事を左右…福留“ルール違反”会食にも思惑
「アンカケ派」に「吉田派」
OBのクチから「囲い込み」などという言葉が出てくる裏には、阪神ならではの事情がある。
老舗球団である阪神には古くから親会社、球団フロント、OB、監督コーチ、選手の間で連綿と続く派閥があり、これが時の監督人事に大きく影響することがある。関西の球界関係者が言う。
「2014年のシーズン終盤、和田監督の去就問題が浮上した際、親会社の一部は05年優勝監督の岡田彰布氏を後任候補に挙げていた。これが頓挫し、和田監督が続投したのは球団、親会社内に反対派が多かったから。その筆頭が『アンカケ派』だといわれています」
「アンカケ派」とは安藤統男元監督と、師弟関係にある掛布雅之氏(阪神・レジェンド・テラー)の頭文字を取ったもの。安藤氏や掛布氏を支持する「アンカケ派」が、阪神で3度監督を務め、1985年に日本一になった吉田義男氏と近い岡田氏の監督就任を潰したというのだ。ちなみに吉田氏と近い人たちは「吉田派」と呼ばれている。
「それぞれの派閥が足を引っ張り合うことで、いわゆる『お家騒動』が起きる。多数の中日OBをコーチとして招聘している外様の矢野監督に対しては、吉田派やアンカケ派も含め生え抜きOBたちが不満を抱いている。同じ外様である福留に対する見方も一緒。徒党を組んでいるようで面白くない。2年連続V逸とコロナ騒動による失態により、吉田派を中心に岡田氏を推す動きが活発化すると言われています」(前出の球界関係者)
お家騒動を繰り返す阪神は、自分たちの手で内部をガタガタにしていることに気付いていない。 (つづく)