コロナ禍で明暗分かれたMLB レ軍は1780億円新球場が水の泡
■1800億円かけた新球場が無駄に
逆に損したのはレンジャーズだ。レ軍は17億ドル(約1780億円)かけて建設した新球場で2020年シーズンを迎えるため、大型補強を敢行。地区優勝の最有力候補と見なされ、選手たちも春先は大いに気合が入っていた。ところが、コロナ禍で開幕が4カ月延びて選手たちは気が抜けたようになり、7月24日の開幕後は、レギュラー陣がそろってスランプに。立て直しにも失敗したため22勝38敗と惨敗した。球団もシーズンが60試合に短縮されたうえに、すべて無観客で行われたため、320万人前後と見積もっていた観客動員が皆無になり、コロナに完膚なきまで叩きのめされた年になった。
■マイナーの球場を本拠地にしてプレーオフ進出
唯一のカナダのチームであるブルージェイズは同国政府が開幕直前に米国から入国するチームに2週間の隔離措置を課す決定を下した。これによりカナダで試合ができなくなり、7月24日の開幕から18日間、すべて敵地で戦う放浪生活を強いられた。ブ軍は他のメジャー球団の本拠地を間借りしてホームゲームを行うことを検討したが、これもコロナ感染の拡大につながるとして拒否され、仕方なく3Aの球場セーレンフィールドをホームにして戦わざるを得なくなった。しかし、この苦渋の選択はブ軍を大いに助けることになる。セーレンフィールドは常に強風が舞う田舎球場である。相手チームは強風に翻弄されて守備でエラーを連発。投手陣も制球を乱すためブ軍はホームで勝ち星を重ねてレギュラーシーズンを突破した。