阪神ぬるま湯体質の実態 球団社長辞任はトカゲの尻尾切り
要するにトカゲの尻尾切りではないか。
阪神の揚塩健治球団社長(60)が9日、兵庫県西宮市内の球団事務所で会見、今季限りでの辞任を表明した。
「2度にわたって球界全体にご迷惑をかけた事実は否めません。着任以来、いろいろな混乱を招いた球団内の最終的な責任者は私でございます。今シーズンの終了をもって社長を辞することを(藤原)オーナーに申し入れ、承諾をいただきました」とは揚塩社長。辞任は「私の一存」とも言ったが、阪急阪神HDの角和夫代表取締役会長(71)の発言を受けたものであることは想像に難くない。
同会長は2度にわたる選手たちの集団コロナ感染、しかもルールを破ってのものだったことに関して怒り心頭。9月30日、関西の財界人の会合に出席した際、「きっちりとケジメをつけさせなければいけません」と言ったのだ。
阪急と阪神は2006年に経営統合。阪急が阪神の親会社になって以降、阪神の関連会社の主要ポストは阪急出身者で占められるようになったという。関西財界関係者に言わせると「のんびりした社風の阪神とは比べものにならないくらい阪急はシビア」だそうだ。その阪急が、孫会社である阪神タイガースに対してはこれまで、金銭面を除いて口出ししなかった。