巨人の近大・佐藤1位指名はFA戦線での自信のなさの裏返し
ただ、球団内にも、いぶかる声がある。8月終わりの編成会議を経て大塚淳弘球団副代表は「外野手のパワーヒッターと先発投手不足」とチームの現状を分析。その上で「野手と投手の有力選手は野手の方が少ない。(1位指名は)野手の即戦力でいこうという方針。外れたら即戦力投手。先発が6人揃わない。頭数が足りない」と明かしていた。チーム内には「それならなぜ、1位は投手じゃないのか」との声がくすぶる。さるチーム関係者がこう言う。
「今は中軸に坂本、岡本、丸が座り、チーム本塁打、総得点がリーグトップを誇る強力打線。一方で13連勝中のエース菅野がこのオフ、メジャーに流出する可能性があるのだから、普通に考えれば、ドラフト1位は投手のはず。今年は豊作とされる大学、社会人の即戦力投手じゃなくても、154キロ右腕でうちのスカウトの評価が高かった中京大中京・高橋が、慶大のAO入試で不合格になってプロ入りを表明したでしょう。明石商・中森も含めて、高校生の目玉投手だっているわけです。1位指名を公言する以上、これは『全権』を持つ原監督の意向で、FA戦線に関係しているともっぱらです」