瀬戸大也を水連が聴取…メダリスト=聖人君子という勘違い
競技ではエリートでも人間性が優れているとは限らず
瀬戸は2016年リオ五輪400メートル個人メドレーの銅メダリストであり、世界水泳や世界短水路選手権などでは多くの金メダルを獲得。東京五輪男子競泳でも金メダル候補の筆頭に挙げられている。
一方で、瀬戸がここまで「吊し上げ」を食らう理由は、「その実績にある」というのは、国士舘大非常勤講師でスポーツライターの津田俊樹氏だ。
「日本人は五輪に対して狂信的というか、五輪代表やメダリストには崇高さを求める。競技力に優れているだけなのに聖人君子であるかのようなイメージを抱く。瀬戸との所属契約を解除した航空会社は『期待するイメージにふさわしくない』ことが理由と言った。そのイメージが、仮にさわやかなスポーツマンだったとすれば、マスコミがつくり上げたり、企業が勝手にイメージしたものに過ぎない」
津田氏が言うように、五輪や世界大会で結果を残すようなアスリートは、その競技のエリートであって、人間性が優れているわけでも、社会性があるわけでもない。むしろ、幼少期から競技一筋、社会経験に欠け、一般常識も怪しい選手が少なくない。違法賭博にのめり込んだ代表選手がいれば、教え子に乱暴を働いて逮捕された元メダリストもいた。そういうことには目をつむり、努力や根性、お涙頂戴の美談に仕立て、感動物語の主人公に祭り上げるのがテレビやスポーツマスコミだ。瀬戸の「好青年」「おしどり夫婦」というイメージだってマスコミが定着させたものであり、瀬戸を知る人間からすれば「アイツは昔から女好きで、不倫もしますよ」と思っているかもしれない。
■持ち上げて、落とされて
不倫をするかどうかはともかく、26歳の若さで大金を手にし、高級車を乗り回せば女性だって寄ってくる。瀬戸に限らず遊んでいる五輪代表候補はけっこういるようで、スポンサーや広告代理店の担当者と銀座や六本木で豪遊しているという話も耳にする。メディアやスポンサーにチヤホヤされて、選手はさらに道を踏み外していくのだ。前出の津田氏が言う。
「瀬戸は航空会社と17年から4年契約で、条件は年間1億円以上といわれていた。マスコミによって『立派な人間』に仕立て上げられた瀬戸は、不倫発覚で世間は騒ぎ、イメージを壊されたとスポンサーは逃げる。プロ野球選手の不倫ならここまで大きな問題にはならない。プロ野球ファンは選手に人格を求めていない。いうなれば日本人は“五輪教”の信者です。代表選手の不貞行為や道徳に反することは許せない。しかし、来年もし東京五輪が開催され、瀬戸が金メダルを取ったらマスコミは彼を持ち上げ、国民は英雄扱いする。五輪候補やメダリストはイメージだけで持ち上げられたり、バッサリ切られたり、この国は異常です」
前出の元幹部は、「瀬戸は金メダルの有力候補です。すでに決まっている五輪代表までは剥奪できないでしょう」と言う。水連はいかなる理由で、どんな処分を下すのだろうか。