ベテランの存在感が薄いからこそ阪神は世代交代ができる
今季の阪神タイガースは久しぶりに楽しい。さすがに優勝は無理だろうけど、私は別に優勝だけを望んでいるわけではないので、このまま2位や3位で終わってもどうってことない。むしろ今季はCSがないため、目の前の勝敗に大騒ぎしなくてもいいことが心の安定につながっている。勝敗の行方以上に、各選手の日々の成長と活躍が楽しみでならないのだ。
野手では大山悠輔と近本光司がそうだ。2人とも過去5年のドラフト1位。巨人・岡本和真とホームラン王を争う待望の和製大砲が大山なら、近本はかつての赤星憲広を思い起こすスピードスターでありながら、赤星以上のパンチ力を備えるハイブリッド型。この2人は現在の阪神打線に欠かせない中心的なピースとなっており、いずれは不動の3、4番コンビに大化けするかもしれない。
また、そんな近本と同じ2018年のドラフトで2位指名された小幡竜平が、高卒2年目ながら今やショートのレギュラーに近い存在にまで成長していることも見逃せない。その小幡とショートのポジションを争う木浪聖也も同じ18年のドラフト3位で、昨年からキャプテンを務めるセカンド・糸原健斗も大山と同じ16年ドラフトの5位入団。やはりみんな過去5年の生え抜き選手だ。