北京五輪前に異例人事 スキー連盟ドタバタ内紛の舞台裏
「北野会長はイエスマンばかりで周囲を固め、イベントの収支詳細も明らかにしない。強化に回るはずの資金も足りず担当者たちは困っていた。アルペンの国内第一人者だった皆川本部長はマーケティング担当も兼ねており、自主財源の確保を進めてきた。21年度の経常収益は約14億円との見込みで、6年前に比べて約5億円も増えたと胸を張るが、強化費不足のクレームは絶えず、W杯や世界選手権で新たに採用される女子複合の強化もおろそかになっている。複合強化の本拠地ともいえる白馬の人たちでさえ、連盟はカネの使い方がおかしいと呆れています」
別の関係者がいう。
「北京五輪のプレシーズンが開幕した直後の会長と強化トップの落選はまさに異例ですが、それだけ連盟の中で不信感が募っていた証拠です。今は、30年札幌五輪招致に尽力する勝木紀昭副会長(北海道スキー連盟会長)が暫定的な会長に就いている。そのまま新会長に就くでしょう。競技本部長には、98年長野から2014年ソチ大会まで複合の日本代表監督やコーチを務めた、前競技本部長の成田収平氏(56)を推す声があります」
コロナ禍で北京五輪開催も危ういが、組織再建は待ったなしだ。