「和歌山の山猿」益田直也は子供っぽいのが欠点だった
前回、「石川歩は涌井秀章が移籍したことで自覚が出てきた」と書きました。ロッテでいま、抑えをやっている益田直也(31)も同じです。
和歌山県紀の川市出身で、幼少期は山の中で育った野性児。みんなから「おまえ、和歌山の山猿だろ」といじられていましたが、山育ちだけに足腰は強靱。都会っ子が弱いとは言いませんが、やはり、子供の頃に培った下地は無視できません。
■結果で態度が露骨
問題は性格でした。僕がロッテのコーチに就任した2015年、益田は大卒4年目で、結婚して子供もいました。しかし、「抑え」というポジションを考えると、まだまだ幼い部分がありました。
僕もクローザーが長かったのでわかりますが、このポジションは抑えようが打たれようが、どんな時でもマウンド上では顔色ひとつ変えず、試合後も露骨に態度を変えてはいけないのです。
もちろん、クローザーだって人間です。抑えたらうれしいし、打たれたら悔しい。でも、成功したときは陽気にはしゃぐけど、失敗したらイライラして無口になる……これでは他の選手に信頼してもらえない。これはクローザーだけではなく、他のポジションも、そして野球以外の仕事にも共通することではないでしょうか。最後のマウンドに上がって試合を締める抑えは、なおさらこの心構えが重要だと思うのです。