ドラフトに変化…強豪校以外の選手の多くが大成しない理由
中には「オレ、学生の時は150キロ投げたんですよ」という投手もいましたが、今その球速を出せなければ何の意味もない。野球強豪校出身なら「よし、もう一回、鍛え直してやろう!」と気力を奮い立たせるものですが、そうでない選手は得てして壁を乗り越える術を知らないのです。
毎日24時間、1年間野球漬けという経験もしていないので体力もない。もちろん、そうでない選手もいますが、全体的にこの傾向はあります。
■実績の乏しいコーチを見下す
コーチの在り方も、昔と今では変わってきている気がします。これは学校教育の変化とも無縁じゃないと思うんです。今は学校で先生に怒られ親に報告すると、親が先生に「なんでウチの子を怒るんですか!」とクレームが入る。そうなると、指導すべき先生が先生でなくなる。先生が生徒に見下されるようになるのです。
そうした関係性をプロに持ち込んでしまう。特に実績の乏しいコーチを見下す傾向があるように思います。どんなにいいアドバイスでも、「おまえに言われたくない」と思われたら何の意味もありませんから。
時代の変化とともに、プロの世界もこれだけ変わってきている。そもそも、プロ野球選手になりたいという子が減っているのが現状なんです。 (つづく)