巨人4位・伊藤優輔 父は創業90年老舗手作りパン屋の3代目
「まずは生地を練るところから。粉から焼くまでに4、5時間はかかります。少しずつ焼いていって朝の10時までに全部で1000~1100個を全て私が手作りします」(康之さん)
自宅の1階は工場を兼ねる店舗。2、3階が居住スペースとなっている。
荒川区出身の康之さんも、かつては野球少年だった。しかし、私立中学入学を機に「勉強をしろということなのか、なぜか野球は親に反対されました」(康之さん)。そのため、バスケットボールに転向し、大学まで続けた。ただ、なにせ「巨人の星」のお膝元だ。康之さんは根っからの巨人ファン。野球への未練は捨てられなかった。「男の子ができたら野球をやらせたかった」と心に決めていた。
■アーケードの商店街が「室内練習場」
同じ学年の母・康子さん(56)とは知人の紹介で知り合い、30歳の時に結婚。念願の男の子が生まれると、野球の英才教育が始まった。
「優輔が小学生の頃は、夕方の仕込みが終わる午後5時から1時間半くらい練習に付き合いました。当時は店の前がアーケードの商店街になっていて、屋根はあるし、照明もついているので、軟式ボールならキャッチボールとかいろいろ練習ができました。室内練習場みたいなもんですね」と康之さんは笑う。