ヤンキースの狙いは田中将でも巨人菅野でもなく日ハム有原
早大4年時にヤンキース幹部がわざわざ視察
そこで浮上するのが有原航平(28=日本ハム)だ。
日本ハムは11月26日にポスティングシステムの利用を申請。大リーグ機構(MLB)はすでに30球団に対して有原を契約可能な選手として通知している。移籍交渉の期限は日本時間12月27日午前7時だ。「7、8球団が興味を示していて、それ以外からも問い合わせがきている」とは代理人のジョエル・ウルフ氏。レイズ、パドレス、レンジャーズなどが興味を示しているといわれるが、「ヤンキースも有原には興味をもっています」と、さる放送関係者がこう続ける。
「いまから6年前、有原が早大4年生のときのことです。有原は日本のプロ野球界を経ず、直接メジャー挑戦しようと考えた時期がある。有原のそんな意思を察知したのがヤンキース。球団幹部がわざわざ来日し、有原の投球をチェックしたと聞きました。ヤンキースは本気で有原を口説くつもりだったようですが、本人は結局、プロ志望届を出してドラフトで日本ハムに入団した。ヤンキースは米国人スカウトを日本に置いていて、彼はいまも有原の投球をチェックしているといいます」
■年齢には伸びしろ、そして安上がり
有原の強みは28歳という年齢だ。前出のスカウトがこう言った。
「ストレートの平均球速は150キロ前後だが、ギアを上げたときは150キロ台中盤のボールを投げます。球速自体は菅野と変わらない。菅野と比べてコントロールはアバウトですが、落差の大きいチェンジアップとフォークがあるし、何より28歳と伸びしろが大きい。相場は2年10億円程度。田中や菅野と比べてもはるかに安上がりです。ヤンキースにはマイナーの若手を先発に抜擢するプランがある。つまり2ケタ勝利の計算が立つ投手だけでローテーションを組むのはフトコロ事情を考慮しても厳しいということです。有原は先発4、5番手として白羽の矢を立てたのではないか」
田中や菅野の着地点として注目されているヤンキースだが、同じ日本人投手でも狙いは別人というのだ。