小池知事“二正面作戦” 五輪成功なら手柄、中止で責任転嫁
何を聞かれても「安全安心な大会」としか答えない小池知事の姿は、4年前の市場移転問題の際、築地か豊洲かと判断を迫られ、「総合的に判断」と逃げ回っていたあの時と見事にダブる。つまり、どっちに転んでも大丈夫なように、あるいは自らの本音を覆い隠すために「安全安心な大会」を連呼しているのである。
仮に、スガマゲドンが成功すれば、「安全安心な大会」を開催したホストタウンのトップとして成果を誇れる。一方で、スガマゲドンがコケて中止になったとしても、ワクチン接種の遅れや水際対策の不備にあった、と菅政権に責任をなすりつけることができる。そして、「あらゆる選択肢」を標榜する都ファは、五輪中止とは言えない自民党よりも優位に選挙戦を進められる。あわよくば、そこそこの議席を確保して延命を図ることさえ可能である。
緊急事態宣言が再延長される東京だが、小池知事は、コロナ対策そっちのけで究極の二正面作戦を進めているのだ。決して「安全安心な大会」発言を額面通りに受け取ってはいけない。