<後>五輪開催中、運転士のコロナ発生なら観客は露頭に迷う
昨年12月に都営大江戸線の乗務員に新型コロナの集団感染が発生し、減便ダイヤが続いた。年末年始だったからたいした影響は出なかったが、同業他社を震撼させた。
各社とも公表はしていないが、クライシスによる減便ダイヤは内々策定している。だがそれは平時の場合の想定で、オリンピック増発状態からのコロナ発生は想定外だ。
電車の運転士はいきなり他線区から来ても訓練なしで運転はできない。
人気競技の決勝や表彰が午後11時を回るケースが多いだけに、もし観客を入れての開催中に減便ダイヤになれば、真夜中に満員電車に乗れなくなった観客が、朝までお台場や国立競技場周辺をさまよう悲惨な光景となろう。
無観客となり、鉄道会社の対応は不要と決まっても安心はできない。バス輸送の問題がある。
■瀕死の観光バス業界で乗務員が集まるのか
IOC委員のような超VIPは専属リムジンだろうから別世界だが、問題は選手、そしてテレビ技術スタッフらを運ぶバスの手配だ。晴海の選手村や東京ビッグサイトのプレスセンターと各会場との間の要員の輸送は大量の観光バスによることになる。