ぼったくり東京五輪開幕で…2030札幌冬季五輪招致はどうなる?

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「ぼったくり男爵は帰れ!」「五輪は中止だ!」

 18日、東京・元赤坂の迎賓館正面前に険しい表情の警察官がずらり並んだ。緊迫した雰囲気に包まれる中で、集まった数十人のデモ隊が冒頭のようにシュプレヒコールを上げた。

 怒りの矛先はもちろん、東京五輪パラリンピック組織委員会がこの日、同館で開いた歓迎会に出席していたIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長(67)に対してだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大が急増し、多くの国民が「中止」「延期」を訴えているにもかかわらず、IOCなどは東京五輪を強行。国民、各国選手らが連日、コロナの感染拡大に恐怖を覚えながらの大会となる。

 ドタバタ劇で明らかになったのは、IOCの強権的で強欲な姿勢だろう。開催可否について、当事者である開催都市には何ら権限がないに等しく、東京五輪の開催都市契約を見ると、都や組織委はIOCに対する損害賠償といった権利をすべて放棄することになっている。いわば“不平等条約”そのもので、IOCにとって、五輪は「開けばカネになる」「ハイリターン・ノーリスク」の一大興行だったというわけだ。

 コロナ禍はそんなIOCの実像、五輪という名の商業イベントの実態を浮き彫りにさせたわけで国民の間に開催反対の声が強まるのも当然だ。

 となれば、気になるのが、2030年の冬季五輪招致運動を展開している札幌市の動向だ。

 同市が14年10月に実施した五輪開催の是非を問う市民アンケートによると、冬季五輪招致に対して「賛成」(33・7%)と「どちらかといえば賛成」(33・0%)で7割近くを占めた。だが、最近のバッハ会長の言動を踏まえた上で、あらためて招致の是非を問うアンケートを行った場合、結果はどうなるだろうか。

オスロはIOCの体質を問題視して辞退

 このままだと、札幌市民だけでなく、北海道民、国民からも招致の賛否を問う住民投票実施を求める声が出てくる可能性があるだろう。果たして市は冬季五輪招致運動を続けるのか。市スポーツ局招致推進部に聞くと、担当者がこう答えた。

「2020東京大会について、さまざまな意見が出ていることは承知しています。同大会が終わった後、どう(招致活動を)進めていくのかを(あらためて)検討したいと考えております」(調整課)

 2022年冬季五輪の本命都市と見られながら、14年10月に突然の辞退を表明した北欧の都市オスロ(ノルウェー)。辞退の理由は、4000億円余りに上る巨額の開催費用だけでなく、地元メディアが<IOCがタダ酒と国王主催のパーティーを要求>と題し、IOCがオスロ招致委に提示していた「豪華接待要求」の内容をすっぱ抜いたためだった。

 タダ飯、タダ酒の豪華接待と特権意識で凝り固まったIOC。いよいよ商業五輪と決別する時ではないか。

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