<8>高橋尚子は五輪直前に左脚を故障、シューズに対する考えを変えた
小山医師の診断で高橋の左脚が、右脚より8ミリ長いことがわかった。左脚がやや外側に向いた着地になることが故障原因のひとつだった。三村君は左右の脚がバランスよく着地できるよう、8ミリの差をソールの厚みで調整した。高橋は月間1300キロぐらい走っていたのでソールの減りが速い。三村君は30足ぐらいのシューズを作り、高橋に渡した。そのシューズで五輪へ向けてトレーニングをしていたのだが、高橋は大会直前、「以前まで履いていたシューズに戻して欲しい」と言いだした。=つづく