【レスリング】文田健一郎は銀でも号泣 日本男子17大会連続メダルをもたらした1年延期の“有効活用”
一時は大人数での練習、スパーリングを制限されたことで、それまでほとんど取り組んでいなかったウエートトレーニングに本格的に着手。上半身の攻防のみのグレコローマンスタイルで重要な腕の引く力を強化するため、体に重りを付けて懸垂やロープ登りに取り組んだ。当初は10キロの重りでも厳しかったが、毎日のように繰り返すうちに今では25キロを付けても楽にこなせるようになったという。
大会が先送りされてむしろ精神的な余裕も生まれ、練習法の見直しも行った。単にガムシャラに練習するのではなく、必要なものだけを見極めて効率性を重視してトレーニングを積んできた。
文田は「周りがやっているから自分も練習しなくてはと思っていたが、今は自分で自分をコントロールできるようになった」と言い、オーバーワークによる故障防止にもつながったと明かす。
1年延期がマイナスとなり、競泳やバドミントンのメダル候補が期待を裏切る中、お家芸種目の文田が最低限の結果を残した。
女子76キロ級の皆川博恵(33)は3位決定戦で周倩(32=中国)にフォール負け。08年北京大会の浜口京子以来の最重量級でのメダル獲得はならなかった。