夏の甲子園「高校生から1500円徴収」の仰天!大会本部「協力金」と回答も、まるで運営費用の肩代わり

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「一般客にチケットを売らない代わりに、生徒や保護者たちから1500円を徴収しています。れっきとした『有料興行』ですよ」

 こう打ち明けるのは、夏の甲子園出場校の関係者だ。

 8月10日に開幕して以降、雨天順延やコロナ禍でドタバタが続く甲子園。当初は今春の選抜と同様、観客数を制限して開催する意向だったが、無観客開催とし、一般客への入場券販売は行わず、スタンドへの入場は1校につき、生徒、保護者ら上限2000人とした(現在は開催地の兵庫県を含む13都府県に緊急事態宣言が発令されたことを受け、入場は部員と指導者の家族<1人につき3人以内>、教職員に限定)。

 コロナの感染拡大が続く状況を考慮した上で、東京五輪が一部地域を除いて無観客開催となったことも影響したとみられ、高野連の八田会長は、「東京五輪が直接の原因になったとは申し上げないが、選抜よりも出場校が多く、期間も長く、新たなウイルス株の蔓延などさまざまなことを考えた結果」と説明。メディアは「甲子園は原則無観客で開催」と報じた。

 ベンチ外の野球部員や保護者、学校関係者が晴れ舞台を直接スタンドから見たい、応援したいと思うのは当然だが、主催者である高野連、朝日新聞はそんな人々を無料招待するのではなく、ちゃっかりと1人1500円の入場料を徴収しているというから驚く。

■売り上げ2400万円

 1試合当たり最大4000人が入場すれば、売り上げは600万円。1日の試合数を4試合とすると、最大で計2400万円。通常開催時の主な応援席であるアルプススタンド(800円)よりも入場料は高額だ。

 これについて大会本部に問い合わせると、こう回答した。

■今回は「協力金」として

「観客席への入場については、日本高校野球連盟から7月21日に出した広報で、『新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、一般観客への入場券販売は行わず、スタンドへの入場は学校関係者に限る』と発表しました。『原則無観客』と案内したことはありません。入場料については、従来、席の種類によって違う料金をいただいています。入場券販売をしない今回は、『協力金』として、従来の内野席券より安い金額をご負担いただくことにしました」

 主催者の高野連、朝日新聞社は、選手らへのPCR検査などのコロナ対策費や旅費の補助など、運営資金が必要。“無観客”となった今回、目標を1億円とするクラウドファンディングを募っているのもそのためだろう。

 とはいえ、雨天順延による滞在延長などで、学校や応援団はただでさえ出費がかさんでいる。本来なら主催者が用意しなければいけない運営費用を、肩代わりさせているようなものだ。

 野球ファンの作家・吉川潮氏は「てっきり無料招待だと思っていました」と、こう続ける。

「協力金というなら好意による寄付と同じ。任意で徴収するならまだしも、タチが悪い。特別に入場を認める代わりに協力金をもらうことで収入を得る『高校野球方式』として他のイベントで悪用されかねない。そもそも、高校生からお金を取ること自体おかしな話。いくら運営費用がかかるといっても、高野連にはこれまで蓄えてきた純資産(2018年時点で18億円)がある。朝から中継を垂れ流しながら、1円も放映権料が発生していないNHKから取ればいい。選手には『正々堂々と戦うこと』を誓わせておいて、高野連と朝日がやっていることは、正反対。姑息と言うしかありません」

「教育」としての意義

 しかも、今は日本全国でコロナが猛威を振るい、過去最多の感染者数、重症者数を記録。開催地および出場校の宿泊地である大阪、兵庫もヒドい状況が続いている。出場校からもコロナ感染者が出て、宮崎商、東北学院の2校が辞退に追い込まれた。にもかかわらず、有観客開催を続ける理由を大会本部に尋ねると、こう答えた。

「観客席への入場については当初より、感染対策に『責任が持てる範囲』にするよう代表校に呼びかけていましたが、8月20日から阪神甲子園球場の地元兵庫県を含む13都府県に緊急事態宣言が拡大されたのを受けて同日、野球部員、部員と指導者の家族(1人につき3人以内)、教職員に限定するよう改めて通知しました。私どもは高校野球を教育の一環としてとらえており、野球部で厳しい練習を共に重ねてきた仲間や、支えてくれた家族の応援を受けてプレーすることは、教育として意義のあることだと考えています」

 前出の吉川氏が続ける。

「教育の一環というなら、なおさら無料招待してやるべきだが、団体で国内を移動すれば感染リスクが高まり、命にも関わる。球児に罪はないが、教育という言葉を持ち出せば、許されると思っている。高野連はもちろん、政権批判しながらスポンサーとして五輪を特別扱いしてきた朝日らしい。高野連と朝日がやっていることは、政府が教育の一環と強弁してパラリンピックに小中学生を呼ぶのと根っこは同じですよ」

 取って付けた理由で正当化するのは高野連と朝日新聞の常套手段だが、せめて今からでも入場料はタダにしてやったらどうか。

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