アーチェリー男子個人・団体「銅」古川高晴<1>予選Rは最悪の滑り出し 原因不明の不調でパニックに
古川高晴(37歳、アーチェリー男子個人・団体、銅メダル/近大職員)
最前線で日本アーチェリー界を牽引し続ける古川の、2004年アテネ五輪から始まる5度目の挑戦だった。
団体では1回り以上も年が離れた後輩、武藤弘樹(24)、河田悠希(24)とともに、日本男子団体史上最高位の銅、その5日後に行われた個人でも銅メダルを掴んだ。
今大会を含めた日本アーチェリーの五輪メダル獲得数は男子6、女子1の計7個。古川は12年ロンドン五輪銀を含め、3つのメダルをもたらしたレジェンドだ。
東京五輪に懸ける思いの中には、今年2月に誕生した息子の存在が大きかった。
「生後6カ月の今は、『ずりばい』といってほふく前進ができるようになった状態。本当に可愛いですよ。初めての子供が生まれた年で、それも自国の東京で開催されたオリンピック。息子が大きくなった将来、『あの時、お父さんは頑張ったんだよ』って言えるような成績を残したい。これが安定した強いモチベーションになっていた。それに、一生に一度あるかないかの自国開催のタイミングで、運よく現役選手でいられたことも特別に感じていました」