<7>愛媛の母に「僕の愚痴は誰に言ったらええんや」と電話をかけた
京都府の高体連の名門といえば古豪の山城、森岡亮太(シャルルロワ)を輩出した久御山、小屋松知哉(鳥栖)らを輩出した京都橘などが有名だが、東山高は鎌田大地が入学する数年前からグングンと力をつけてきた。「大地が中3の時に高円宮杯プリンスリーグの関西2部、高1・2で同1部、高3の時にプレミアリーグと昇格を続け、京都の強豪校の仲間入りを果たしました」と父・幹雄さんも言う。その立役者が恩師・福重良一監督。かつて京都でプレーした目利きの元Jリーガー監督が、鎌田飛躍のキーマンになった。
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鎌田が東山高に進学したのは2012年春。入学前の入部挨拶で福重監督は驚いてしまった。
「鎌田は私服で耳にイヤホンをつけたまま、伏し目がちにボソボソとしゃべるんです。人見知りの性格だと聞いてはいましたけど、メンタリティーから変えないといけないと痛感しました」
それから鎌田は、グラウンドで監督に会うたび「ちゃんとしろ」と言われる。試合メンバーから外され、ベンチでお説教を受けたこともあった。