<8>鎌田大地が選んだ意外な進路「僕は人との巡り合いの運がすごく強い」
15年に鳥栖入りし、5月10日の松本山雅戦でJ1デビュー。同時にプロ初ゴールを決めた。
その時点では「若かりし日の中村俊輔(横浜FC)を彷彿させる抜群のセンスの持ち主」という声も聞かれた。そんな高評価に浮かれることもなく、鎌田は飽くなき野心と向上心を持ち続けてサッカーに没頭した。
「プロ1年目は毎日3部練。朝7時半から1時間弱走って午前9時から1時間ストレッチや体幹をやり、10時から2時間は午前練。その後シュート練習をして昼食・休養の後、午後3時から1人でボールを蹴ってました。夜も体のケアをした後は早く寝てましたね」と本人が言うように、高校を出たばかりなのに超ストイックな生活を送っていたというから驚きだ。
遠く離れた息子の目に見えない努力と苦労に思いをはせつつ、幹雄・貴子夫妻はプロとしての成功を祈り続けた。=つづく
▽鎌田大地(かまだ・だいち) 1996年8月5日生まれ。愛媛県出身。キッズFC-G大阪ジュニアユース-東山高-鳥栖から2017年にフランクフルトに移籍。昨季トップ下で5得点、リーグ3位の12アシスト。19年3月のコロンビア戦で代表デビュー。同10月のモンゴル戦で代表初ゴール。身長184センチ・体重73キロ。