大阪国際女子はゴール直前まで男性PMが先導 元陸連幹部「マラソンとは呼べない」と激怒
レースは先頭を走る2人のうち、上杉が25キロ過ぎに遅れだし、終盤は松田の独走状態となる。ところが、30キロを過ぎても3人のPMはコースを離れず、ゴール手前約1キロの長居公園周回道路の前まで松田を先導した。
昨年もそうだった。コロナの影響で史上初の長居公園の周回コース(約15周)で行われ、ゴールの競技場入り口まで男子のPMが先導。優勝した一山麻緒は2時間21分11秒の大会記録をマークした。
日刊ゲンダイは昨年、ゴール直前までPMがつくのは競技規則144条(競技者に対する助力)に触れるのではないかと陸連に質問したところ「規則上問題ありません」との回答を得て、紙面で詳しく報じた。
■「大阪国際女子はAIMSから脱退するべき」
しかし、元陸連副会長の帖佐寛章氏は「この大会はマラソンとは呼べない」と声を荒らげてこう語る。
「2001年のベルリンマラソンで高橋尚子が男子選手がPMとなり、複数のガードランナーに囲まれながら世界記録(2時間19分46秒)を出した。当時私は、世界の主要なロードレース大会が加盟する国際マラソン・ディスタンスレース協会(AIMS)の会長だった。AIMSはロードレースの主催者が加盟し、正確な距離計測方法やルールの統一化などを行っている。高橋の記録はPMの力を借りたもので問題だと思い、廃止させるため会議を開いた。メンバーたちは『すでにPMは起用されているから今更ダメとはいえない。ただし、違うゼッケンをつけさせ30キロまでにしよう』と決めた。世界陸連も了承した経緯がある」