高木美帆1000mで悲願の金、4個目メダル! 長短の距離こなす“カラダの秘密”を専門家が分析
短距離から長距離までメダルが狙える高木美帆はスケート界の「二刀流」どころではない。日刊ゲンダイで連載中の岡崎朋美氏(1998年の長野五輪500メートル銅)はテレビ朝日の番組の中で「陸上100メートルのボルト選手が1万メートルを走りきるくらい」と語っていたが、何か特殊な能力があるのか。
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旧ユーゴのナショナルスキーチームのコーチだった平山昌弘氏(フィジカルトレーナー)が解説する。
「高木美帆選手(167センチ・58キロ)の滑りを見ると、ブレード(刃)が氷の上を長く滑っている。柔軟で可動域が広い股関節の上に体重が乗っている時間が長い。それだけ体重の重みをパワーに転化できているのです。身体の使い方の意識が高いのでしょう。レース前、ゴムチューブを使い、低い姿勢で足を交差させながら横に動くウオーミングアップをしているが、コーナーでは体重のかけ方が難しい。『ここかな?』『もう少し右かな?』と、股関節に体重が乗るベストな位置を探しているのではないか。滑りやすい氷の上ではバランスを崩すと制御がきかない。ベストな股関節の位置に体重が乗っていれば、自らの滑りから生まれるパワーを氷に最大限伝えることができ、氷上からも反発力を得られる。スタミナを大きく消費することなく効率よくスピードが出せる」
さらに平山氏が言う。
「短距離はスタートダッシュが重要です。高木美は股関節が機能しているのでハムストリングス(太もも裏の筋肉)が十分に使えている。これで氷を蹴る力がアップし、加速する」
あっぱれだ。