ウィリアムズ姉妹の父親を描いた映画「ドリームプラン」の面白さ 女子テニス低年齢化の一因も
映画は、競争の自由をうたう米国社会における、人種や性差という矛盾に挑む父親の姿を描いている。特に年齢問題は大きな障壁で、リチャードは妹のセレーナをジュニアツアーに参加させず、黒人姉妹の存在は知られていてもそのプレーはほとんど知られていなかった。
97年、17歳のビーナスが全米初出場で決勝に進み、16歳のヒンギスと対戦。敗戦後にこう話していたのを覚えている。
「私のショットなんかより、妹の方がはるかに凄いわ。世界一よ」
妹が姉より早く17歳でメジャー初優勝を飾るのは99年の全米で、決勝でヒンギスを倒した。
■止められたビデオ
映画では、フロリダキャンプの白人コーチ、リック・メイシーとの葛藤が描かれ、それで思い出したことがある。
沢松和子の宿敵だった畠中君代さんが、現役時代から懇意のメイシーのキャンプを見学した際に幼いウィリアムズ姉妹がいたという。黒人選手は珍しかったのでビデオを回すと、止められた。なぜ? 映画ではそこまでは語られていない。