ウィリアムズ姉妹の父親を描いた映画「ドリームプラン」の面白さ 女子テニス低年齢化の一因も
前述のように、テニスは世界ツアーを展開する巨大市場で膨大な賞金は男女同額だ。男子に比べ女子の競争率は低い。黒人の運動能力に可能性はある──伝統の壁さえ突破できればドリームズ・カム・トゥルー。
畠中さんのビデオが阻止された背景は、リチャードもメイシーも、そのことを知られたくなかったのではないか。プロ社会のライバルは白人だけとは限らないだろう。セレーナの初優勝から19年後、同じ全米の決勝でセレーナを倒したのが、ウィリアムズ家のスタッフとノウハウをまるごと導入した大坂なおみである。彼らはこれを恐れていたのではなかったか……。
最後には主演男優のビンタまで飛び出すなど、実に感慨深いアメリカ映画だった。