このままでは不破聖衣来は駅伝に「殺される」…ケガ完治せず日本選手権1万m欠場
8日に国立競技場で行われたセイコーゴールデングランプリで、世界陸上(7月・米国)100メートルの切符を狙った東京五輪代表の小池祐貴は10秒22の2位。参加標準記録(10秒05)を突破できなかった。1位は2019年世界陸上金のクリスチャン・コールマン(米国)。時計は10秒09(追い風0.1メートル)と平凡だった。
ファンががっかりしたといえば、前日の日本選手権女子1万メートルもそう。世界陸上の参加標準記録(31分25秒00)をクリアしている東京五輪7位の広中瑠梨佳(21)が優勝し、3位の五島莉乃(24)とともに代表に内定したが、このレースで3位以内なら代表入りした拓大の不破聖衣来(19)が臀部故障による調整不足で欠場したからだ。
不破は昨年10月の全日本大学女子駅伝から今年1月の全国都道府県対抗まで4回の駅伝を走り、異次元の走りで区間新を連発。12月のトライアル1万メートルでは日本歴代2位の30分45秒21を記録。久しぶりに登場したスター候補に陸上界は沸いたが、都道府県駅伝後に、ロードを走った疲労などから腰や右足アキレス腱の周囲を痛め、4月までほとんど練習ができなかったという。
右足の状態がよくなれば、今年も秋から多くの駅伝大会に駆り出されるはずだ。スピードランナーにアキレス腱痛はつきもの。五輪や世界陸上の種目にない駅伝が原因で故障を繰り返せば、「24年パリ五輪は1万メートルで出場、28年ロス五輪はマラソンで金メダル」の目標は、はかない夢で終わる。