エンゼルスのライバル球団がはじく「大谷翔平MVP効果」 観客動員苦戦で集客力を当てに
ア・リーグ西地区のライバル球団が昨季、MVPを受賞したエンゼルス・大谷翔平(27)の集客力を当てにしているという。
今季、観客動員数で苦戦を強いられているアスレチックス、レンジャーズの2球団だ。ア軍は4月21日のオリオールズ戦で2703人を記録。1試合平均入場者数は7715人と30球団で唯一、1万人を下回っている。昨オフ、年俸の高い主力を他球団に放出した上に、チケット代や駐車料金を値上げしたことが不人気に拍車をかけたようだ。
一方のレンジャーズは昨季、コロナ禍の2020年に開場した開閉式ドーム球場「グローブライフ・フィールド」の効果もあって1試合平均入場者数は2万6052人を記録。シーズン合計では全体4位の211万258人を動員しながら、今季は1試合平均2万3637人(全体17位)まで下げている。ア軍と最下位争いを演じているだけに、今後も客足が伸び悩むのは必至だ。
この2球団が大谷のエ軍戦で集客を当てにしているのは、両球団のチケットの価格設定を見れば明らかだ。アスレチックスは日本時間14日から、レンジャーズは同17日から、それぞれの本拠地でエンゼルス戦が組まれている。メジャーでは対戦カードによって入場料の変動が可能で、大谷のホームランボールを手にできるエ軍戦の外野席の入場料はア軍が約3300円、レ軍が約5400円と最低価格で据え置かれている。チケット代を抑えて集客を図り、飲食代などで稼ぐ狙いがあるとみられる。
今季のエ軍は絶大な人気を誇る主砲トラウトの復帰や開幕ダッシュの成功もあり、平均入場者数は昨季の1万8667人(全体16位)から3万1412人(同9位)と大幅に増えた。大谷はライバル球団の窮状を救えるか。