IOCが北海道視察スタートの無神経…ウクライナで連日多数の犠牲者が出る最中に
■「開催都市を決める活動を一時停止するべき」
「連日の報道を見ているIOC委員だってそれは知っているはずです」と声を荒らげるのは、スポーツファンの菅野宏三氏(ビジネス評論家)だ。
「ウクライナの多くの民間人が命を奪われている中、北海道を視察している神経がわからないし、人間としてどうなのか。今はこの戦争をやめさせることが何より優先されるべき。冬季五輪の競技は欧州が本場。EUはロシア産の石油の輸入を部分的に禁止することで合意したが、欧州各国はウクライナ侵攻の影響が大きい。30年冬季五輪の開催地がどこになろうと、気にしている状況ではありませんよ」
ロシアは今回だけでなく、08年のジョージア侵攻、14年のクリミア併合でも国連総会が採択した五輪休戦決議を破っている。IOCはロシアに対し、休戦決議に違反すると非難。世界に連帯と平和を呼びかけた。
「五輪はスポーツを通した人間育成と世界平和を究極の目的としている。IOCはロシアに裏切られ、『平和の祭典』という看板を下ろさざるをえなくなった。五輪開催都市を決める活動を一時停止して、休戦に向けて動くべきです」(菅野宏三氏)
商業主義にドップリのIOCにそれができるか。