ドラフト1位で近鉄入りした野茂英雄はマスコミ対応に苦慮…一緒に座禅を組もうと誘った
1989年11月26日のドラフト当日は、近鉄の同僚・村上隆行の結婚式だった。私は彼の披露宴に出席していた。
当時、新日鉄堺の野茂英雄に近鉄を含む史上最多の8球団が競合、当たりクジを近鉄が引いたというニュースが披露宴の最中、司会者から速報として会場に伝えられた。
リーグ優勝した年にドラフトの目玉といわれた即戦力投手の交渉権を得たのだ。
■「主役が代わっちゃったよ」
式に出席していた我々はもちろん、球団関係者以外の人たちも含めて会場は大いに盛り上がった。
「おい、おい、主役が代わっちゃったよ」
などという声も聞こえた。
近鉄に追い風が吹いているようなムードがあったからだろう。年明けの1月、テレビ局の仕事で私は野茂と対談をすることになった。
■「来てもらうわけにはいかない」