星野陸也が全英OP「キャンセル待ち」でも現地入り 過去には補欠出場メジャーVの奇跡も

公開日: 更新日:

「その心意気やよし、です」とはゴルフライターの吉川英三郎氏だ。

 日本時間14日開幕の第150回全英オープンの現地で「キャンセル待ち」をしている星野陸也(26)のことだ。

 冒頭の吉川氏が言う。

「米ゴルフ誌などによると、星野は世界ランキング70位で補欠3番手にもかかわらず、会場のセントアンドルーズに入り、練習しているという。通常の大会なら補欠の2、3番目くらいまでは出られますが、メジャー大会は体調の急変など、よほどのことがない限り欠場者は出ない。国内ツアーは不人気で7月は試合がないとはいえ、出場できる可能性が低い補欠の3番手でも高い経費を払って現地入りした意欲は買う。今はA・ノレン(40)に次いで補欠の2番手まで上がった。現地にいれば、開幕前夜に欠場者が出ても出場できますから」

J・デーリーは一躍人気者に

 星野は補欠1番手だった2018年全米オープンでは、繰り上げ出場がかなった。この時はメジャー初挑戦で予選落ちしたものの、補欠出場から「奇跡」を起こした選手もいる。1991年全米プロで優勝したJ・デーリーだ。

あの大会は開幕前夜、後にメジャーで3勝するN・プライスが夫人の出産に立ち会うため急きょ欠場が決まった。開幕前夜ということで補欠の8番目までの選手は出場せず、9番目のデーリーまで切符が回ってきた。デーリーは自宅から車を飛ばし、約900キロを徹夜で走り続けた。試合会場に到着したのは大会初日の朝でした」(吉川英三郎氏)

 初出場のデーリーは180センチ、100キロ超の巨体かつ独特のオーバースイングから放つ300ヤードのビッグドライブでファンを魅了。2日目に首位に立つと、そのまま逃げ切ったのだ。

「デーリーはあの勝利で一躍人気者になった。『ラッキーな男のまぐれ勝ち』なんて声もありましたが、セントアンドルーズで行われた95年の全英もプレーオフで勝っている。自由奔放なキャラクターから『悪童』と呼ばれ、3度の離婚やアルコール依存症で苦しむなどプライベートの問題が話題になったこともあるが、実力は本物でした」(吉川英三郎氏)

 星野も奇跡を起こすチャンスがやってくるか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…