“高校最強軍団”大阪桐蔭はなぜ散った? 下関国際にまさかの逆転負け「3つの敗因」
「プロ注目の2年生左腕エース前田の温存が原因で、攻撃のリズムが崩れたのが敗因のひとつだと思います」とは、高校野球雑誌「ホームラン」元編集長の戸田道男氏。
「大阪桐蔭の先発は初戦から川原、前田、川原と続いた。順当にいけば、この日は前田が先発するところ。その前田を温存したのは準決勝、決勝を見据えていたからでしょう。下関国際の力を見誤った起用が、特に攻撃陣に焦りを生んだのではないか。初回に2点を取った直後、1死一、三塁の好機で一塁走者が盗塁死したのが象徴的です。その後もチグハグな攻撃が目立ち、要所要所で攻め落とせなかったのが痛手でした」
同様のことは、1点リードの八回、1死二、三塁の好機の場面にも言える。大阪桐蔭は上位打線だったからか、小技で追加点を取りに行かず、2番、3番打者が連続で空振り三振。チャンスをフイにした。
「大阪桐蔭打線は、優勝した春のセンバツで大会新の11本塁打。今夏の地方大会では7試合で54得点を挙げている。“格下”相手にいつでも点を取れるという過信もあったと思う。接戦になったにもかかわらず、ボール球に手を出したり、大振りが目立ちました」(関西地区担当スカウト)