大谷「メジャー初の投打規定到達」は“つくられた数字” 専門家からの異論と本当の価値
「(大谷の残した数字は)つくられた成績だと思う。達成したほとんどは、他の選手が許されなかったことだからね」
大谷翔平(28)が日本時間6日、アスレチックスとの今季最終戦で5回を投げ、今季の投球回数は166に。投打とも規定(投げて162回、打って502打席)をクリアしたのはメジャー史上初。投打の二刀流として確固たる地位を確立したそんな大谷に関して、米国のスポーツアナリストからこんな声が上がっている。
■「だから大谷は評価しない」
今季、ア・リーグ新記録の62本塁打を放ったジャッジ(30=ヤンキース)とのMVP争いが米国中の話題になっているが、「だから大谷は評価しない」というのだ。
米メディア「ジ・アスレチック」も5日、記者30人以上を対象とした今季ア・リーグMVPのアンケート結果を発表。1位はジャッジの87.9%で、大谷は12.1%で2位だった。
メジャーは日本のプロ野球以上に、選手の役割分担が明確で、細分化されている。過去にも打撃の優れた投手はいたものの、1人2役で他の選手の役割を奪うことになる二刀流など許可されなかった。仮に投打の二刀流が認められていれば、大谷並みの成績を残す選手はいたに違いない。したがって、大谷の二刀流としての成績は球団や首脳陣の配慮によってつくられたものだと言いたいのだろう。
大谷がMVPにふさわしいか、ふさわしくないかはともかく、メジャーには打撃の優れた投手が確かにいた。
アストロズやブレーブスなどで通算148勝(115敗)、1999年に最多勝を獲得したマイク・ハンプトンは打者顔負けの打撃をした。先発投手でありながら、2001年には投手としてナ・リーグ最多タイのシーズン7本塁打。1999年から5年連続でシルバースラッガー賞を受賞した。
殿堂入りした通算305勝のトム・グラビンも同様に打撃の良い投手で、4回シルバースラッガー賞を受賞している。