DeNA山崎康晃は米挑戦が有力だが…防御率は改善も、不安材料は「奪三振率」の低下
しかし、それ以上に気になるのは、2019年以降、奪三振率がガクンと低下している点だ。
18年までの4年間は投球回数を上回る三振を奪っていたのに、19年以降は今季も含めて奪三振数が投球回数を下回っている。つまりはバットに当てられるケースが増えたのだ。
日本はメジャーほどチーム数が多いわけではない。対戦する回数が多ければ打者が慣れるのは当然とはいえ、メジャーでは日本以上に奪三振数が減るとみている。
メジャー投手の進化は近年、目覚ましいものがある。セットアッパーのストレートの平均球速は153キロ。山崎はそれ以下だし、ツーシームやスプリットのキレや落差もそれほどではない。特別に速い球を投げるわけでも、絶対的な決め球になる変化球を持ち合わせているわけでもないのだ。
投手にとって何より重要なのはコマンド、狙ったところに正確に投げられる制球力だが、山崎のコントロールはあくまでも平均点。ツインズの前田クラスの制球力はない。
山崎の獲得に興味をもつ球団があるのは事実だが、わたしはむしろ消極的だ。フロント幹部がそれでも欲しいと言ってきたら、マイナー契約が妥当だと答える。当初はマイナーでも、メジャーに昇格した場合はこれだけの給料を払うというスプリット契約が無難だと。
(メジャーリーグ覆面スカウト)