角界のサッカーフリーク元横綱鶴竜親方「C.ロナウドの大ファン 最後の勇姿を見届けたい」
元横綱 鶴竜親方(37歳 )
角界の頂点を極めた横綱にして、無類のサッカー好き。故郷モンゴルで見たブラジルのロナウドの勇姿に魅せられてサッカーにのめり込み、2014年ブラジルW杯では日本代表メンバーをほとんど的中させた。W杯の展望と優勝予想、そして日本代表への“提言”などを語る。
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■日本は年齢に左右されないチームづくりを
日本代表のE組は「死の組」といわれ、「ドイツとスペインがいるから、日本のグループリーグ突破は厳しい」という声もあります。
でも、僕は可能性はあると思うんです。確かにドイツは強い。若手も育っており、厳しい戦いになりそう。でも、スペインはビッグネームですが、ワンチャンスあると思っています。
メンバーがそこまで揃っておらず、ケガの多くなったベテランDFセルヒオ・ラモスの代表入りが取り沙汰されるなど、ディフェンスも層が厚いわけではない。そうなると、日本が勝てるチャンスがあるわけです。
もちろん、コスタリカも油断していい相手ではありません。以前ならば負けない相手でも、今はFIFAランキング31位。2014年のブラジルW杯はベスト8です。GKのケイロル・ナバスはパリSGに所属している。日本との総合力の差はあっても、油断せずに確実に勝たなければなりません。
日本は初戦がドイツで、次がコスタリカ戦、最後にスペイン戦。2試合目を絶対に勝って、いかに良いムードでスペインに臨めるか、が大事です。
日本代表について、以前から気になっていることがあります。
それはチームづくりにおける<年功序列>です。
日本はどんなに能力がある選手でも、年代別代表のアンダー世代を卒業してからA代表に……という流れがあります。
でも、それは本当に必要なステップなのか、と思うんです。
海外ならばアンダーの選手であっても、実力があればすぐにA代表に入ります。今回は出場していませんが、ノルウェー代表のFWアーリング・ハーランドは19歳からA代表で活躍しています。
今の日本代表だとMFの久保建英や堂安律が若いといわれますけど、21歳と24歳ですからね。レアルのユースでプレーしていた19歳のMF中井卓大(現レアル・マドリード・カスティージャ)を代表入りさせても面白いと思います。それこそ、試合に出場できなくても、ベンチでW杯の雰囲気を味わうだけでも、大きな財産になるのではないか。
ベテランの選手はこれまでチームに貢献してきて、年齢を重ねても頑張っているのはわかります。それでも「どっちがうまいの?」と、あくまで実力で選手を選ぶべきだと思います。
若い選手にW杯を経験させれば次のW杯にも必ずそれが生きると、僕は常々思っています。
強い国は、そうやって選手をスムーズに世代交代させている。そこを失敗し新たなスター選手をつくることができなかったのが、今回も出場を逃したイタリアです。
W杯にイタリアがいないなんていまだに信じられませんが、それだけサッカーは世界中で人気になり、競技人口も増えてレベルも上がっている。サッカー大国のイタリアですら、安泰ではないのです。