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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

16年ドラ1の寺島成輝が引退…履正社出身選手の苦難と阪神の大砲候補・井上広大への期待

公開日: 更新日:

 ヤクルトの2016年ドラフト1位左腕・寺島成輝が現役引退することになった。寺島といえば高校野球の名門である大阪・履正社高校のエースとして大活躍し、早いうちからその名を全国に轟かせていた逸材だった。

 私は履正社高の近隣に在住しているため、「履正社の寺島くん」が当時どれだけ地元で英雄扱いされていたかよく覚えている。大阪桐蔭高と「大阪2強」を形成している履正社高のエース、あるいは4番打者は、それだけ特別な存在なのである。

 しかし、あの寺島くんですら、プロでは5年間でわずか1勝に終わったのだから、プロの世界は厳しい。同じ履正社高出身では、ロッテの17年ドラフト1位・安田尚憲も高校時代は早稲田実業高の清宮幸太郎(現・日本ハム)と並び称されるスラッガーだったが、プロではまだ開花しきってない。同級生のヤクルト・村上宗隆の56本塁打、三冠王があまりにすごすぎるからか、余計に物足りない印象だ。安田も清宮もチームからは十分チャンスをもらっているわけだから、伸び悩んでいるのだろう。

 一方、履正社高出身でプロでも成功した選手といえばヤクルトのトリプルスリー・山田哲人オリックスの大砲・T-岡田が代表的だ。しかし、それ以外に目を向けると、まずまずの成功と言っていいのがかつてオリックスの先発、クローザーとして活躍した岸田護くらいで、あとは野手ならレギュラークラス、投手なら主戦級となった選手はいない。特に近年では寺島や安田のように、超高校級と騒がれた逸材がプロではパッとしないという現象が続いている。

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